加齢

本来であれば歯根部分は歯茎に覆われているため、虫歯になりにくいです。しかし、加齢などによって少しずつ歯茎が下がってくると、その部分に汚れが蓄積しやすくなり、根面う蝕のリスクが高くなります。前述の通り、歯根部分は耐久性のあるエナメル質がなく、象牙質のみで形成されているため、虫歯になりやすく進行も早いという特徴があります。

歯周病の進行

歯周病は歯周病菌の感染によって生じる炎症性の歯科疾患です。歯茎と歯の隙間に溜まった汚れによって細菌が繁殖すると、歯周組織に炎症が起こり、歯茎が下がってしまいます。歯周病によって歯茎が下がると、歯根面が露出するため、根面う蝕が生じやすくなります。根面う蝕を予防するためには、歯周病を発症・進行させないことが重要です。

間違ったブラッシング

歯茎は想像以上にデリケートな組織です。強い力で毎日ゴシゴシに磨いていると、歯茎が傷ついて下がってしまうため、結果的に根面う蝕のリスクが高くなってしまいます。思い当たる方は、できるだけ優しいブラッシングを心がけましょう。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、通常の咀嚼よりもはるかに大きな力が歯や歯周組織にかかります。睡眠時などに歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、歯や歯周組織にダメージが蓄積することによって少しずつ歯茎が下がってしまうため、根面う蝕の原因となる可能性があります。

ドライマウス（口腔内が乾燥しやすい人）

加齢や歯並び、お薬の副作用などによってお口が乾燥しやすい場合は、唾液による自浄作用や殺菌作用が低下するため、虫歯や歯周病になりやすくなります。口腔内の乾燥によって細菌数が多くなると、加齢や歯周病によって歯茎が下がっている場合は、根面う蝕のリスクも高くなります。